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アンサンブルの音程は、誰がどう決めるのか――「正しい音程」は一つではない

このブログはAI開発の記事が中心ですが、今回は寄り道です。筆者はアマチュアのチェロ弾きでもあり、専門外の読み物をAIに下書きさせ、出典の確認と第三者レビューを経て仕上げたらどうなるかを試しました。音程の話として読んでいただいても、AIに書かせた記事の仕上がりの一例として眺めていただいても構いません。

筆者はアマチュアのチェロ弾きで、長く弦楽アンサンブルを続けてきました。モーツァルトの弦楽四重奏曲を弦楽アンサンブルで演奏していると、何度も同じことが起きます。チェロが根音(和音の土台になる音。多くの場合いちばん低く置かれます)を受け持ち、第1ヴァイオリンが旋律を歌う。その旋律が、和音に対して少し高めに取られるのです。

同じテンポで「もう一度」と繰り返すだけでは、直りにくいものでした。「音程に気を付けて」「他のパートを聴いて」と声をかければ直ることもままあります。ただ、効き目が確かな方法は別にあります。問題の一文(センテンス。楽譜で言えば数小節のひとまとまり)だけを切り出し、コラールのように遅いテンポで弾き直す。そこで音程の感覚を合意し直してから元のテンポに戻すと、相当程度まで回復します。これを何度も経験しました。

なぜ同じテンポの繰り返しでは直りにくく、遅くして弾き直すと戻るのでしょうか。そして、高めに取った第1ヴァイオリンは「間違っていた」のでしょうか。本稿では、この問いを入口に、アンサンブルの音程について考えます。

結論を先に書きます。音程には複数の合理的な選択肢があり、旋律として自然な高さと和音として安定する高さは、同じ音符でも違います。第1ヴァイオリンは旋律として自然な高さを取り、チェロは和音として安定する高さを求めていたのだろうと、筆者は理解しています。どちらかが間違っていたのではなく、どちらを優先するかが揃っていなかったのです。

1. 同じ長3度に、三つの高さがある

まず、筆者が合奏の中で身につけてきた経験則を挙げておきます。

  • 長3度や長6度は、少し低めに取ると和音がよく響く。
  • 短3度は、少し高めに取ると和音が落ち着く。
  • 主音に向かう導音は、少し高めに取ると旋律が自然に聞こえる。
  • 不協和音は、周囲に溶け込ませるより、緊張を出した方がよい場合がある。
  • 同じ音符でも、前後の旋律や和声によって望ましい高さが違う。

どれも主に、繰り返し合奏するうちに耳と身体が覚えたものです。ところが「なぜその音を高く取るのか」と問われると、説明に詰まります。説明の道具として、音律の話を最小限だけ使います。

現代のピアノは十二平均律で調律されています。1オクターブを12個の等しい半音に分けた音律で、半音の100分の1を「1セント」と呼びます。一方、和音が最もよく溶け合うのは、構成音の周波数が単純な整数比になるときで、この比で作る音程を純正音程といいます。両者は一致しません。

音程平均律純正音程(周波数比)平均律との差
完全5度700セント702.0セント(3:2)+2.0
長3度400セント386.3セント(5:4)−13.7
短3度300セント315.6セント(6:5)+15.6
長6度900セント884.4セント(5:3)−15.6

C–E–Gの長三和音なら、Eを平均律より約14セント低く取ると(厳密にはGも2セントだけ高くします)、C・E・Gの周波数比が4:5:6になります。倍音(一つの音に含まれる、基音の整数倍の高さの成分)が互いに重なるので、うなりが消え、和音が静かに安定します。「長3度は低め、短3度は高め」という経験則の根拠はこれです。

ところが、音律はもう一つあります。完全5度を積み重ねて音階を作るピタゴラス音律では、Cから5度ずつG、D、A、Eと4回積んでEに着くため、長3度は約408セントになり、純正の386セントより約22セント広くなります。短3度は逆に約294セントで、純正の316セントより狭くなります。つまり同じ長3度に、純正(386)、平均律(400)、ピタゴラス(408)の三つの高さがあるのです。

横軸をセントにした二本の目盛り。上の段は長3度で、純正386セント、平均律400セント、ピタゴラス408セントの三点が並ぶ。下の段は短3度で、ピタゴラス294セント、平均律300セント、純正316セントの三点が並ぶ。どちらの段でも、純正音程には「和音で溶け合う」、平均律には「ピアノの高さ」、ピタゴラス音程には「旋律的な音程はこちら側」と注記があり、純正とピタゴラスの差は約22セントと示されている。長3度では純正が低くピタゴラスが高い。短3度では向きが逆になり、純正が高くピタゴラスが低い。
図1 同じ長3度、同じ短3度に、三つの高さがある。純正音程とピタゴラス音程は平均律を挟んで反対側にあり、長3度と短3度では向きが逆になる。

この図は、筆者の経験則に潜んでいた矛盾も解いてくれます。クリーヴランド弦楽四重奏団のチェリストだったポール・カッツは、若い頃にカザルスの公開レッスンを受けました。カザルスが説いた「表現的音程」とは、導音を上げ、増2度(長2度よりさらに半音広い2度)を広げ、短3度を下げることだったといいます[1]。筆者の経験則は「短3度は高め」です。正反対に見えますが、カザルスが語っていたのは一つの音から次の音へ進む旋律の音程で、筆者が覚えたのは同時に鳴る和音の音程です。図1の下段で言えば、カザルスは左のピタゴラス側を、筆者は右の純正側を指していました。

カッツ自身も、四重奏の指導で同じことを言っています。旋律的な音程は高い長3度と高い導音を欲しがるが、和音の中の長3度は意外なほど低く取る必要がある[2]。つまり旋律的な音程は、長3度と導音を高く、短3度を低く取る方向にあり、図1ではピタゴラス側に当たります。本稿ではこの意味で、ピタゴラス音律の高さを旋律側の目安として使います。実際の表現的音程は、この目安よりさらに外れることもあります。

なお、曲全体を純正律で通すことはできません。音楽理論の論文誌に載ったショルツの解説が紹介するブラックウッドの例では、ハ長調でD–F–Aの和音(Dを根音とする和音)からG–B–Dの和音(Gを根音とする和音)へ進むとき、同じDでも、前の和音の根音としてのDと後の和音の5度としてのDは、純正に取ると約22セント違います。同じくピアースの例では、C、F、D、G、Cを根音とする五つの和音を順に進めると、純正を守るほど最後のCが最初のCより約22セント下がってしまいます[3]。固定された正解表はなく、弦楽器奏者は和音ごとにその場で高さを調整するしかありません。

2. 遅いと縦が聴こえ、速いと横が聴こえる

縦とは同時に鳴る和音の関係、横とは一つの音から次の音へ進む旋律の流れのことです。カッツはインタビューで、クリーヴランド四重奏団の方針をこう説明しています。速い楽句では表現的音程(旋律的に考えた音程)を使った。音が速く過ぎるとき、聴き手の耳は音楽を横に、つまり旋律として捉え、和音の細部を聴き取る時間がない。遅い楽句では和音こそが主に聴こえるものになるので、旋律的な音程は四重奏では問題を起こしやすい[1]。ベートーヴェンの作品95の冒頭のように、全員がオクターヴで同じ旋律を弾き、和声がない箇所では、旋律的な音程の方がずっとよく響くといいます[1]。

冒頭のモーツァルトの経験を、筆者はこの説明で次のように推測しています。カッツが語るのは聴き手の耳ですが、弾いている側の耳も同じでしょう。元のテンポでは、第1ヴァイオリンの耳には旋律が聴こえていて、旋律として自然な、ピタゴラス寄りの高めの音を取るのは、耳としては正しい反応なのでしょう。一方チェロの耳には、自分の根音の上に乗る和音が聴こえています。同じテンポで繰り返すだけでは、この聴こえ方が変わらないので、ずれも変わりにくいのでしょう。「他のパートを聴いて」と声をかけると直ることがあるのも、注意が和音の側に向くからだと思います。

コラールのテンポに落とすと、声をかけなくても全員の耳に和音が入ってきます。高めに取った音は根音に対してうなりを生み、それが誰にも聴こえます。ここで「合意し直す」のは、説得ではなく、聴こえ方を揃えることだと筆者は考えています。だから元のテンポに戻したとき、第1ヴァイオリンが再び旋律として少し高めに取ること自体は自然で、違うのは、根音との関係を一度耳に入れた上での高さになっていることです。

カッツも、遅いテンポで音程をさらう練習では、その楽句の本来の速さを念頭に置くよう勧めています[2]。遅くして見つけた和音の高さを、速い楽句にそのまま持ち込むのが目的ではない、と筆者は理解しています。

3. 導音と不協和音は、どこへ向かうかで決まる

導音(主音の半音下にあって主音へ解決する音)は、旋律的な音程の代表例です。カッツが伝えるカザルスのレッスンに、ブラームスのチェロ・ソナタ第2番の緩徐楽章の話があります。終わり近くの長いE♯(嬰ホ)を、受講生がピアノと同じ高さで弾いた。カザルスは、それは導音だから低すぎる、ピアノは調律の狂った楽器なのだから合わせてはいけないと言い、全員が顔をしかめるほど高く弾いてみせた。そうしてこそ、最後のF♯の和音に解決したときの安堵が大きくなる、というのがその趣旨でした[1]。

ただしカッツは、同じ音でも和音の中では別の判断になると続けています。ト長調の旋律で高めに取ったF♯(ト長調の導音)は美しいが、そのF♯がニ長調の和音の第3音で、しかも遅いテンポであれば、四重奏では高すぎて聞こえる[1]。同じ音でも、和音の中でどの位置にあるか、次にどの音へ進もうとしているか、という二つの観点があり、両者が衝突したときにどちらを優先するかは解釈の問題になります。

不協和音も同じ構造を持っています。掛留音(前の和音から持ち越された音が次の和音とぶつかり、そのあと解決する音)は、ぶつかっている瞬間の緊張があるからこそ、解決した瞬間が安定して聞こえます。緊張を明確に示したい場面もあれば、繊細な響きとして扱いたい場面もあるでしょう。ただし、緊張を出すことと音程を外すことは同じではありません。緊張は音量、音色、ヴィブラート、アーティキュレーションでも作れますし、カッツによれば、ヴィブラートの速さと幅が奏者間で揃っていないと音程そのものが損なわれます[1]。

4. 誰を聴くか

ここまでは一人ひとりの判断の話でした。合奏にはもう一つ、複数の判断をどう揃えるかという問題があります。

カッツがインタビューで語る四重奏の原則は単純です。全員が、その瞬間に最も低い音(たいていはチェロ)を聴いて合わせる。基準が一つになるので混乱が起きず、演奏の最中に「誰を聴けばいいか」と迷わずに済む。経験の浅いグループでは、第1ヴァイオリンが第2ヴァイオリンに、第2がヴィオラに、ヴィオラがチェロに合わせるというように、各人が別の相手を聴いていて、基準が数珠つなぎにしか届かず、音程が崩れる。もう一つよくある間違いは、旋律を持つ人に合わせることで、原則として旋律が和声に合わせるべきだといいます[1]。

左右に二つの図。左は「基準が数珠つなぎになる」と題され、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの四つの枠が縦に並び、第1ヴァイオリンは第2ヴァイオリンを、第2ヴァイオリンはヴィオラを、ヴィオラはチェロを聴くという矢印が上から下へ一つずつつながっている。矢印は「誰を聴くか」、第1ヴァイオリンには基準(チェロ)が二人越しにしか届かない、基準が直接には届かない、と注記がある。右は「最低音を聴く」と題され、全員が同じ基準を聴く、と注記がある。上に第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラの三つの枠、下にチェロ(最低音)の枠があり、上の三つから下のチェロへ矢印が集まる。チェロから第1ヴァイオリンへは点線の逆向きの矢印もあり、旋律が乗りやすい高さに根音を置く(双方向)、と注記がある。
図2 誰を聴くか。各人が別の相手を聴くと、基準は数珠つなぎにしか届かない(左)。最低音を共通の基準にすると迷わない(右)。ただし一方通行ではなく、最低音の側にも旋律が乗りやすい高さを探す責任がある。

この原則は一方通行ではありません。カッツによれば、チェリストが指を置いて「ここにいるから見つけてくれ」と構えるのではなく、旋律を持つ人に「このB♭を少し高めにした方が弾きやすいか」と尋ねるのもチェリストの仕事です。人の耳は上の音に合わせるより下の音に合わせる方が容易なので、最低音を基準にする方法は理にかなっていますが、最低音の側には、他の人が音程を取れるように基準を置く責任があります[1]。

根音を弾くチェロとして、筆者はこの点を重く受け止めています。冒頭のモーツァルトで、第1ヴァイオリンが高めに取るのは旋律の耳として自然な反応だと書きました。であれば、チェロの側にできることは、根音を正確に出すことだけではなく、その根音の上に旋律が乗りやすいかを聴くことでもあります。

5. オーケストラの弦楽セクションでは(筆者の経験から)

ここから先は出典のある話ではなく、筆者がオーケストラで経験してきたことです。

四重奏では原則として一人が一声部を受け持ちます。オーケストラの弦楽セクションでは、同じ声部を10人かそれ以上が同時に弾きます。全員が独立に音程を判断すると、小さな違いが積み重なって、パート全体の響きがにじみます。

筆者の団では、首席奏者が明確な音程の基準を出し、他の奏者がそれを聴いて合わせます。奏者によっては、自分の音を主張するより周囲に溶け込むことを優先しますし、場面によっては基準となる奏者以外が音量を控えめにして、集団としての音程のばらつきを目立たなくすることもあります。これは技能差を補う方法であると同時に、集団の音程判断を一つにまとめる方法でもあると筆者は考えています。仮に全員の技能が高くても、独立した判断の総和が集団として最も良い結果になるとは限らないからです。

弦楽四重奏などオーケストラの弦楽セクション
声部の担当原則として一人一声部同じ声部を複数人で担当
音程の判断各奏者が自律的に判断し、最低音を共通の基準にする首席などの基準を共有する
主な課題異なる声部間の整合同一パート内の統一と、パート間の整合

ただし、一般奏者が音程を考えなくてよいという意味ではありません。首席の音が聴こえない場面、divisiで声部が分かれる場面、管楽器との和音を調整する場面では、個々の奏者の判断が要ります。また、音程の統一を優先するあまり、発音の明瞭さや音色の芯を失っては本末転倒です。問われているのは、集団として望ましい音を作るために、音程判断の役割をどう分担するかです。

6. 合奏で音程が合わないときに、何を切り分けるか

以上を踏まえると、合奏中に音程が合わないとき、同じテンポで「もう一度」を繰り返す前に、原因がどれなのかを切り分けた方がよさそうです。

  1. 演奏精度の問題か。狙っている高さは一致しているが、技術的に再現できていない。個人練習の領域です。
  2. 基準が違うのか。一方は平均律の固定された高さを、もう一方は純正な和音の高さを目指している。まず基準が違うことを認識する必要があります。
  3. 解釈が違うのか。一方は和声の安定を、もう一方は旋律の方向性や緊張を重視している。どちらの音程が正しいかを議論しても解決せず、どんな響きを作りたいかを先に揃えます。
  4. 誰を聴くかが決まっていないのか。各人が別の相手を聴いていて、基準が間接的にしか届いていない。最低音や持続音を共通の基準にすると改善することがあります。ただし、常に最も低い音が唯一の基準になるわけではなく、演奏上の役割や場面に応じた判断が要ります。

冒頭のモーツァルトのずれは、3と4が重なった例だと筆者は見ています。センテンスを切り出してコラールのテンポで弾き直す方法は、3の「どんな響きを作りたいか」を全員の耳に入れ、同時に4の基準をチェロの根音に揃える手順になっていたのだと思います。

これに加えて、筆者がさらに試してみたい練習があります。長三和音を一つ、ゆっくり保持するだけです。

  1. 全員がチューナーを基準に、平均律で和音を作る。
  2. 根音と完全5度はそのままに(5度は純正に、ほんのわずか広めにしてもよい)、第3音だけを少しずつ下げる。
  3. うなりがどう消えていくかを聴く。
  4. その第3音を、今度は旋律の一部として前後の音につなげて弾く。
  5. 和音として落ち着く高さと、旋律として自然な高さの違いを比べる。

数値を覚える必要はありません。響きが変わるのを体験することに意味があります。音量、ヴィブラート、弓の使い方が違うと比較が難しくなるので、最初は条件をできるだけ揃えます。

もう一つ、実用的な注意を付け加えます。弦楽器の開放弦は高さが固定されているため、和音の中で動かせません。カッツは、ピアノの調律師が5度をわずかに狭めて調律するのと同じように、開放弦の5度も少し狭めて合わせるよう勧めています[1][4]。ハ長調やヘ長調の和音は構成音のうち2つが開放弦になるため、特に難しいといいます[4]。

おわりに:同じ音ではなく、同じ響きを目指す

アマチュアには、音楽理論を体系的に学ばず、長年の合奏で音程感覚を養ってきた人が多いでしょう。その感覚は間違っていません。長3度を低く取ると響きがよくなることを、純正律という言葉を知らずに体得している奏者はいくらでもいます。

理論の役割は、その経験則を正しい演奏法で置き換えることではなく、経験則がなぜ成り立つのか、どんな条件で有効で、どんな場合に別の選択があるのかを見えるようにすることだと筆者は考えています。「短3度は高め」が和音の話で、カザルスの「短3度は低め」が旋律の話だと分かれば、二つは矛盾せず、場面に応じて使い分けられる選択肢になります。演奏中にセントを計算する必要はありません。理解し、聴き分け、身体で再現できるようにしておき、「ここはもっと溶け合わせたい」「この導音はもう少し緊張を持たせたい」と思ったときに、耳と身体が応じられればよいのです。

カッツは、カザルスとピアティゴルスキーという二人の巨匠が同じ曲の同じ音を正反対に聴いたことから、音程は科学ではなく芸術だと学んだと語っています[1]。アンサンブルの音程合わせとは、単に同じ音を出すことではなく、同じ響きを目指すことです。どんな響きを作りたいかが揃っていなければ、一人ひとりが正確に弾いていても合奏としては合いません。逆にそれが揃っていれば、センテンスを一つ切り出して遅く弾き直すだけで相当程度まで戻ります。筆者が何度も経験してきたのは、そういうことだったのだと思います。

参考資料

  1. Tim Janof, “Conversation with Paul Katz (October, 2005),” CelloBello. https://cellobello.org/cello-blog/interviews/conversation-with-paul-katz-october-2005/ ― カザルスの表現的音程、旋律と和声で異なる音程、四重奏で最低音を聴く原則についての本人の証言。
  2. Paul Katz, “Quartet Intonation (Part 2): Melody and Harmony Demand Different Solutions,” CelloBello. https://cellobello.org/ensemble-lesson/quartet-intonation-part-2-melody-and-harmony-demand-different-solutions/ ― 弦楽四重奏のレッスン動画。和音の長3度を下げる実演と、楽句の速さと音程の関係。
  3. Kenneth P. Scholtz, “Algorithms for Mapping Diatonic Keyboard Tunings and Temperaments,” Music Theory Online 4.4 (1998). https://mtosmt.org/retrofit/mto.98.4.4/mto.98.4.4.scholtz.php ― ピタゴラス音律、純正律、平均律の関係。和音進行に伴う音高のずれの例は脚注23。
  4. Paul Katz, “Quartet Intonation (Part 1): The Open Strings Dilemma,” CelloBello. https://cellobello.org/ensemble-lesson/quartet-intonation-part-1-the-open-strings-dilemma/ ― 開放弦と音律の関係、5度を狭めて調弦する理由。

本稿は筆者の弦楽アンサンブルでの経験をもとに、プロ奏者の指導資料と音律論を参照して整理した考察です。演奏上の音程選択には、時代様式、楽器編成、音楽解釈、奏者間の合意が関係するため、ここで述べた考え方をすべての楽曲に適用できる固定的なルールとして扱うものではありません。